不動産屋がマンガになるのか?と思っていたら良い意味で裏切られた「正直不動産」

出典:小学館 ビッグコミックス「正直不動産 1」

大人になってもマンガが大好きです。自分が小学生の頃にONE PEACEが始まり、「海賊」を描くという設定の斬新さと、伏線の緻密さに衝撃を受けたのは未だに記憶に残っています。

最近でも継続的に読んでいるのは、「ONE PEACE」「キングダム」「弱虫ペダル」。ジャンルは様々ですが、共通して自分が魅力を感じるのは「斬新な切り口」の設定です。他には無い切り口が独自の世界観を作り出し、物語に引き込みます。

例えば「弱虫ペダル」。読む前は、「自転車がマンガになるのか?」と半信半疑でした。小さなころから毎日秋葉原に自転車で通うオタク少年が、自転車競技に出会うことで才能を開花。仲間やライバルと切磋琢磨しながらインターハイで頂点を目指すという、「超」成長ストーリーの設定。1巻で心わしづかみにされました。

他にも大切な要素はあると思いますが、全ての前提となる「設定」がやはり漫画においては非常に重要だと、漫画歴二十数年の自分は思うわけです。

そこで今日紹介したい漫画が、小学館から出ている「正直不動産」。自分が魅力を感じる他の漫画同様、設定が非常に斬新な作品です。「不動産屋がマンガになるのか?」という疑いの目で手に取りました。「嘘がつけなくなる」といういたってありきたりな設定。ただし、徐々に話を読み進めて行くごとにそれが不動産業界にとっては滅茶苦茶ギャップのある設定だということに気づき、次々舞い込む難題に「どうやって乗り切るんだろう?」と目が話せなくなります。

 


あらすじ

登坂不動産のエース営業マン・永瀬財地は嘘を厭わぬ口八丁で売り上げNO.1を叩き出す凄腕だった。だが、とある地鎮祭で石碑を壊して以来、嘘が上手くつけなくなってしまった…!!千三つと言われる海千山千の不動産業界でかつての成績が一気に低下する中、永瀬は、嘘が上手くつけない正直営業で苦戦するが…!?不動産屋の裏側を全部ぶっちゃけちゃうニュー・ヒーロー、誕生。

出典:小学館 ビッグコミックス「正直不動産 1」


専門用語もバンバン登場し、巻末には専門的な解説もついています。かなり不動産業界の実態を猫写したストーリー設計になっています。主人公が嘘をつけない事で、不動産業界の実態があぶり出され、それを「正直さ」で乗り切り成長していく様が痛快で清々しいです。

話も面白く、しかも勉強になるということで、一石二鳥的なマンガはそうそう無いのでは無いでしょうか?生きていく限り「家」には誰しも関わり続けると思うので、生活の知恵として読んで見ることをオススメします。