『ひとを動かす技術』ボブ・バーグ

自分が手に取る本は、自分の精神状態を表していると思います。自分に足りないと思っているもの、欲しいもの、理想像・・・。読書はそういった自分の中の『欠乏』に対してヒントを与えてくれます。

hitowo

普段は、こういう自己啓発本はあまり手に取らないのですが、何の気まぐれか、読む事になりました。そうすると、意外や意外、すらすらとほぼ1日で読み切ってしまいました。読みやすかったのは、ただ単に、ああしろ、こうしろという事が描いてあるのではなく、1人の投資会社の社員を主人公としたストーリー仕立てになっていて、その中から教訓を紡ぎだしていくような形になっていたからです。

ひとを動かすには、その人の問題である事を理解してもらう事

本書の結論として自分が読み解いたのは上記のフレーズです。自分が動いてほしいと思う人に、いかに当事者意識をもってもらうか。それが大事だとこの本は言っているように感じました。

人は、誰もがこうしたい、ああしたいと自分の考えを持っています。そんな中他人から「こうしてください」と言われると、誰でも良い気はしないのではないでしょうか。

日々の細かい仕事に、いちいち意味を考えるのはナンセンスだと思います。だから、気の進まない相手に対して「この細かい作業も大事な仕事なんだ!」といっても何も伝わらない、もしくは反感を買うだけだと思います。

そうではなくて,その人が、今この瞬間この組織で働く事の意義をしっかり考え組織が進もうとしている方向にしっかり共感できていれば、上記のような事はそもそも起こらないのではないかという事です。リーダーになるような人は、しっかり組織が進もうとしている方向性を示し、自分の考えをみんなの前で語る必要があります。さらにその事に共感してもらうためには、自分の周りの人の事を人一倍観察し、理解しようとする必要があります。相手への理解なしに共感は生まれないからです。

相手を理解し、自分の考えを伝えて、そして最後にその人にしっかり考えてもら事。ここが、当事者意識をもってもらうために大事な事だと感じました。伝えっぱなしではだめなのです。その人が自分の問題だと気づいて初めて、チームや組織は1人1人が当事者意識をもった高いパフォーマンスを発揮できる集団になるのだと思います。

自分は正直、人に動いてもらうのが苦手です。それは、その人の事を理解しようとしていなかったからなのではないか。まずは、自分と一緒に働いている人をもっと観察し理解する事から始めたいと思います。