本の虫の住み家、六本木「文喫 BUNKITSU」

六本木の旧ブックファースト跡に、新しい本にまつわるスポットが出来たと聞いて行ってきました。その名も「文喫 BUNKITSU」。漫喫ならぬ文喫。ホームページによると、「文化を喫する場所」とのこと。

夜の街というイメージが強い六本木ですが、「文化を喫する」がどのように体現されているか非常に興味をそそります。

文喫 BUNKITSU

http://bunkitsu.jp/
大江戸線六本木駅から地上へ出てすぐの場所にあります。
営業時間は、9:00〜23:00まで。1,500円の入場料を支払うことで営業時間中読書を楽しめます。コーヒーと煎茶は無料。本漬けの一日を過ごしたい方にはかなりお得。店内の本は自由に閲覧でき、気に入れば購入できます。

私は夜中の19時頃に行ったのですが、カフェスペースは8割くらいの客入り。連休の中日でしたが、席を確保することができました。平日の混雑状況が気になる所です。早速本を探しにフロアへ。

お店はオシャレな雰囲気だったので、私が想像していたのは、ファッション雑誌や若者が手に取りやすい自己啓発本や小説中心のラインナップ。その先入観は見事に裏切られることになります。

ブックファースト時代の雰囲気が若干残っています
カウンターで入場料を支払い奥へ
ネオンサインがオシャレ
階段を上がると左手に一人用の読書スペースが
キッチンスペースではコーヒー・煎茶が無料でおかわり自由
無造作に平積みされたディスプレイ、本との偶然の出会いを演出します
カテゴリ別に本棚がわかれています

結論、ガチの本好きのための場所だと感じました。一般大衆受けする、手に取りやすい売れ線ジャンル中心の構成ではなく、日本文学、海外文学、歴史、哲学、宗教学、自然科学など、本屋であれば在庫になり得る領域が大半を占めていました。

また、アルファベット順、あいうえお順、作家別等、目的の本を探しやすい配慮は一切されていません。「探して読む」のではなく「偶然の出会い」に身を任せる設計です。本の売上を追求する本屋であれば、ありえない導線が斬新。

店内のカフェスペースでは、思い思いの本を黙々と読み進める姿があちこちで。心地よい静寂につつまれ、図書館に近い雰囲気を感じました。

カフェでも無く、本屋でも無く、図書館でもなく。本好きが自由に過ごせる場所。ビジネスモデルとしては、入場料と書籍販売。場所柄、1,500円をペイしに来る本好きがどこまでいるか疑問ですが、成功すれば「文喫」のコンセプト通り六本木の新たな文化発信基地になると思いました。

読書だけではなく、自習スペースとしても使えるので今後もちょくちょく利用したいと思います。コーヒーも美味しかったのでオススメです。