部屋を引き継ぐという考え方

東京R不動産を見ていて、ふと思い至った視点なので、備忘録もかねて書いておきます。
※PASS THE ROOMというのが英語的に正しいかは置いといて。

引き継がれる事で魅力が増す賃貸

東京R不動産にこんな物件が掲載されていました。前の住人がセルフリノベーションをして住んでいて、引っ越した後に大家さんが、内装はそのままに分譲マンションとして売りに出している物件です。

大家さん、上手いなと。w改装費用を払わずに、物件の価値を上手く高めていると思います。

僕はこの、「前の住人の施しが物件の価値を高める」と言う点にすごく可能性を感じました。業界の常識をヒックリ返すエッセンスが詰まっていると思います。
従来は、前の住人の痕跡はクリーニングによって,なるべくリセットされます。次に済む側も、それを良しとして物件を探しています。

しかし、これは物件の改装が禁止されている前提があるからだと思うのです。禁止されているからこそ小さな汚れや傷が悪になり、徹底的に排除されるんじゃないかと。もし、最初から改装が奨励されていたら?上記とは全く逆の現象が起こるはずです。前の住人が残した良い部分を活かし、そこに自分の手を加える。退去時のクリーニングなんてまず入りません。

常に物件に住む人の手がプラスされていくことで、「物件が育つ」とでも言いましょうか。そうやって物件が育って行く事でどんどん住み継がれて魅力が増すような賃貸。こんな考え方がスタンダードになったら、窮屈な日本の賃貸も少しは変わるんじゃ無いだろうかと、ふと思いました。

ただ、思いつきなので理想論になってしまっていると思います。別の機会にこの仕組みを実現する際の課題になる事をまとめてみます。ちなみに、発想の元になった東京R不動産さんの物件紹介ページはこちら。
http://www.realtokyoestate.co.jp/estate.php?n=9947