「SDGs」に触れて10年前を思い出す

SDGs-Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」

2015年に国連総会で採択された、より良い世界を実現するための目標です。17カテゴリの目標と、総数169の具体的な指標が定義されています。

※参考情報
・Wikipedia:持続可能な開発目標
・Think the Earth:SDGs for School
・外務省:JAPAN SDGs Action Platform

なぜこのような話をしているかというと、参考情報で紹介しているThink the Earth編著『未来を変える目標 SDGs アイデアブック』を読んだのがきっかけです。

Think the Earthは私が学生時代(10年前)の頃にインターン生としてお世話になり、懐かしさのあまり手に取りました。

地球を一つの会社ととらえて、自分ごと化してみる

「持続的な開発目標」の「目標」というキーワードに、ふとそんな考えが浮かびました。ここから少し、自分が目標設定において大切だと思う事を列挙します。

①会社のビジョンと自分の目標をリンクさせる事
②自分のやりがいを認識する事
③①と②の共通点を探し、全力で取り組む事
④目標の達成推移をトラッキングする事
※トラックを通じた成長実感により、目標設定をより高いレベルに導く事

日々の仕事でも身近な目標設定ですが、大切なのはその目標が何につながるのか?を自分なりに考え、しっかり腹落ちさせる事だと思います。会社のビジョンに向かって戦略が設計され、組織が組成され、戦術が本部・部・課・個人の単位に落とし込まれます。目標もその一部です。

例えば営業マン個人の単月売上目標も、会社が将来目指す方向にしっかり近づいているかを図る指標の1つで、1人1人の動きが間違いなく会社のビジョン実現の道に貢献しています。

「腹落ち」は個人の目標が会社の進む道にどうつながっているのかを理解する事とも言えますが、TOPが決めた方針に100%賛同できるのはむしろ稀で、個人的には「自分の成長」「喜び」「楽しさ」などの自分が求める「やりがい」とどうリンクさせられるかだと考えています。自分が目標を設定する側であれば、メンバーにもそれを求めます。

調子こいて語ってしまいましたが、話を本題に戻します。SDGsができた事で、世界全体で取り組む問題に対して「目標」という切り口でより自分ごと化しやすくなったと感じました。

自分ごと化を進める17の目標

※参照:外務省JAPAN SDGs Action Platform

SDGsを「いいな」と思った理由が2つあります。
①自分ごと化を促進する導線設計
②社会的価値のある事業の再発見

冒頭お伝えしたSDGsの開発目標は17のカテゴリに分類されます。「持続可能な世界を実現する」という途方もない、どこから手をつけて良いかわからない問題に対して、とっかかりを示すものだと感じました。

例えば私なら「住まい領域」に関心があるので、「11:住み続けられるまちづくりを」で何に取り組めば持続可能な世界実現に寄与できるか?という導線になります。

さらに17の目標それぞれには具体的なターゲットが設定されており、「11:住み続けられるまちづくりを」の場合は以下です。

  • 11.1 2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅および基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
  • 11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者、および高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
  • 11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
  • 11.4 世界の文化遺産および自然遺産の保全・開発制限取り組みを強化する。
  • 11.5 2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に重点を置き、水害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
  • 11.6 2030年までに、大気質、自治体などによる廃棄物管理への特別な配慮などを通じて、都市部の一人当たり環境影響を軽減する。
  • 11.7 2030年までに、女性・子ども、高齢者および障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
  • 11.a 各国・地球規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部、および農村部間の良好なつながりを支援する。
  • 11.b 2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対するレジリエンスを目指す総合的政策および計画を導入・実施した都市および人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
  • 11.c 財政および技術的支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつレジリエントな建造物の整備を支援する。

※参考情報:Wikipedia持続可能な開発目標

ここまで具体的に設定される事で、これから取り組む者にとっては明確な指標となりますし、すでに存在する事業者にとっても「あれ?この項目って俺らが取り組んでることじゃん!」と既存事業に対して価値を再発見する事にもつながります。

実は自分たちが気づいていないだけで、SDGsとしっかり向き合えばどんな事業でもこう言った重要なポイントがあるのでは?という希望を全世界の人が持つ事で、より「持続可能な世界」に近づくのではと感じました。

利益追求すればするほど社会貢献につながる事

私が10年前Think the Earthにインターン生として働いていた頃出会った考え方は今でも強く残っています。「社会貢献」をストレートに伝えても、説教や堅苦しく聞こえて誰の心にも響かない。デザインや映像、プロダクトの力で伝える事で、より深く心に刺さり、人を動かすという事。それは本当に今でもそうだなと思います。

社会人になってはや10年経った今、より強く感じるのは、自分たちの利益追求がより社会貢献につながっているという実感がやりがいにつながるのでは?という事。どういう道があるかより具体的に考えてみたいと思いました。