『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース

マイケル・ブースという英国のフードライターが描いた、日本の食紀行です。タイトルと、帯の文句に興味をそそられ手に取りました。英国人一家が経験した「とろけるような舌の旅」

筆者のマイケル・ブースは、パリの有名な料理学校「ル・コルドンブルー」で1年間修行をし、ミシュランの三ツ星レストラン、「ラテリエ」での経験を綴った著書でフードライターとしての地位を確立した人物です。

この本は、そんな彼が、友人であるカツトシ・コンドウを日本料理について知った風な口をきいて怒らせる所から始まります。この本の面白いと感じた所は、言わずもがな、外国人の視点から見た日本食が描かれている点と、それに加えて、彼の妻と子供達の反応の描写を通して彼らの体験したシーンをよりリアルに頭の中で想像できる点です。

読む前は、味の描写に終止するような食レポのようなものを想像していたのですが、彼らが訪れた街の雰囲気や、店の内部、店の主人の人柄まで、まるで小説の中の登場人物のように存在感を感じる事が出来ました。

この本が伝えたい事と趣旨は異なると思うのですが、単純に読み物として、物語として読んでいて面白かったです。※この本はもちろんノンフィクションです。
読みおわった頃には、こんなにも豊かな

食の国に自分が生まれた事の幸せと、同時に、自分は日本人でありながら日本食の事を全く理解していないという罪悪感に教われました。2014年も始まったばかり、今年は食の改善にも取り組み、本物の出汁の味が分かる人間になりたいと思います。

1日で一気に読み切ったおすすめの一冊です。